ロシアに連れ去られた子ども31人が帰還、家族と再会 キーウ
(CNN) ウクライナの首都キーウで8日、数カ月前にロシア支配地へ連れ去られていた子ども31人がバスで帰還し、家族らと再会した。
キーウのCNN取材班は、子どもたちがバスから降り、出迎えた家族らと抱き合う場面に立ち会った。こらえられずに泣き出す子どもも多かった。
1人の少年(13)は「2週間のサマーキャンプに行ったまま6カ月も帰れなかった」「バスから母の姿が見えて涙が出た」と話した。
少年の母親(51)は、息子と離れ離れだった6カ月間、ほとんど情報が入らなかったと振り返る。「電話もつながらず、とても心配だった。息子が虐待されているのか、何が起きているのか、全く分からなかった。今も手が震えている」と語った。
再会は人道NGO「セーブ・ウクライナ」の手配で実現した。同団体がロシアに連れ去られた子どもたちを帰宅させたのは、これが5回目だという。
娘を抱きしめ、息子の手を握る母親=8日、ウクライナ・キーウ/Valentyn Ogirenko/Reuters
同団体の設立者、ミコラ・クレバ氏は同日の記者会見で「子どもたちのうれし涙を見ると、全てはむだでなかったと感じられる」と語った。同氏はまた、今回残念ながら孫2人を引き取るために同行した女性が途中で亡くなり、この2人は帰還を許可されなかったと述べた。
国際刑事裁判所(ICC)は先月ロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナの子どもたちをロシアへ強制連行した容疑で逮捕状を出した。子どもたちが数十カ所の収容所で「政治的再教育」を受けているとの報告もある。ウクライナ大統領府は最近、少なくとも2万人の子どもが連れ去られたとの推計を示した。
ロシアは一切の違法行為を否定し、ウクライナの子どもたちを安全な場所に避難させているだけだと主張している。