ウクライナ、ワグネルの「バフムート8割掌握」主張を否定
(CNN) ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏は11日、戦闘が続いているウクライナ東部の要衝バフムートの大部分をロシア軍が掌握したと主張した。ウクライナ軍はこれを否定している。
プリゴジン氏は「我々はバフムートに専念し、引き続き戦闘任務にあたっている。バフムートの80%以上が我々の支配下にあり、ここには行政中心地全体、施設、工場、市政が含まれる」「残っているのは要塞(ようさい)が築かれた高層住宅があるエリアの一部だ。これらの高層ビルの下にはトンネルがある」と述べた。
ウクライナの当局者はプリゴジン氏の主張を否定した。
ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は同日、「プリゴジン氏の声明は真実ではない」とCNNに語った。チェレバティ氏は「バフムートの防衛にあたっている旅団の1つの指揮官と連絡を取ったところだ。バフムート地域のより大きな割合をウクライナ軍が支配していると自信をもって言える」と反論した。
チェレバティ氏はまた「プリゴジン氏は9カ月連続で制圧しようと試みているバフムートでの勝利をわずかでも示す必要があるため、そうした発表をする」と指摘した。
プリゴジン氏はウクライナでのワグネル戦闘員の進攻について誤った主張をすることで知られている。同氏は先週、夜明けに旗を掲げている様子を映した画質の悪い映像を投稿。バフムート市内やその周辺で戦闘が続いているにもかかわらず、「制圧した」と述べた。これについて西側の当局者は、プリゴジン氏の主張は「かなり絶望的な」試みと述べた。
西側の当局者はロシアがバフムートでいくらか前進したことを認めたが、「メートル単位」かもしれないと指摘した。