岸田首相が避難、和歌山市内の演説予定地で爆発音 容疑者の男逮捕
東京(CNN) 岸田文雄首相が演説のために訪れていた和歌山市の雑賀崎漁港で15日、爆発音のような音がして、岸田首相が避難した。
NHKの映像には、市民が逃げる様子や、警察官とみられる複数人の男性が容疑者の男を地面に押さえ付けている様子が映っている。別の写真には、岸田首相の方向に投げられたとみられる銀色の筒が写っている。
共同通信によると、男は発煙筒のようなものを投げたという。
岸田首相は漁港を視察した後、演説を行う予定だった。首相は衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援演説で現地を訪れていた。
NHKによると、事件を目撃した市議会議員は、爆発音がする直前に「自分の2メートルほど前に筒状の銀色のものが飛んできた」と語った。別の目撃者は「銀色の筒が投げ込まれた。それが光って、すこしたったら大きな音がした」と話したという。
男が投げたとみられる筒状の物体=15日、和歌山/Stringer/JIJI Press/AFP/Getty Images
日本の当局者は岸田首相は無事だと述べた。NHKによると、首相は警護の警官に囲まれて別の場所に移動した。
NHKは男が威力業務妨害罪で逮捕され、和歌山西警察署に取り調べのため連行されたと伝えた。同署はCNNに対し、容疑者の身柄を確保したが、それ以外の情報はまだ発表できないと述べた。
安倍元首相銃撃事件との対比
今回の事件を受け、昨年7月の安倍元首相が暗殺された銃撃事件との類似点を指摘する声が上がっている。
首相として歴代最長の在任期間を記録した安倍氏は、奈良市内の駅近くで選挙演説中に銃撃を受けた。白昼に手製の武器で実行されたこの事件は、政治家に対する暴力や銃暴力の少ない日本に衝撃を与えた。
安倍氏の治療に当たった医師は、銃弾が心臓に達していたことを明らかにした。
同事件の容疑者は事件発生直後に逮捕され、殺人罪と銃刀法違反の罪で起訴されている。