中国外相、「冷静さ維持」して「政治的解決」模索を ウクライナ情勢
(CNN) 中国の秦剛(チンカン)外相は訪問先のドイツで、ウクライナでの戦争について「感情的」な見方をしないよう警告し、「唯一の出口は、冷静さを保ち、理性的であり続け、政治的解決のための条件を作り出すことだ」と述べた。
秦氏は9日、ベルリンで、ドイツのベアボック外相と会談した。
中国外務省の報道官は10日、北京での定例の記者会見で、秦氏は今回の訪独で、中国が紛争を引き起こすことはなく、紛争に参加することもせず、平和の擁護者であり、和平会談の推進者であることを示したと述べた。
中国外務省によれば、秦氏はドイツに対し、バランスの取れた効果的で持続的な欧州の安全保障の枠組みを構築するために、主導的な役割を果たして、具体的な提案を行うことを求めた。
ベアボック氏は9日、中国に対し、欧州が科している制裁をロシアが回避することを支援しないよう呼び掛けた。ベアボック氏は、ロシアの国防産業が戦争に関連した物資を入手する場合は特に重要だとし、中国を含む全ての国々が企業に対して行動を義務付けるべきだと指摘した。ベアボック氏は「中立は侵略者の側に立つことだ」とも述べた。
ロシアがウクライナ侵攻によって欧米諸国から制裁を受けるなか、中国政府はロシア政府にとって外交上の生命線となっている。中国は、ロシアの侵攻を非難することや、ロシア軍に対する撤退の呼び掛けを拒否している。中国は、全ての国の「正当な」安全保障上の懸念を考慮しなければならないとし、北大西洋条約機構(NATO)や米国が紛争をあおっていると非難している。