カナダ、中国外交官を追放 内政干渉と主張
(CNN) カナダ政府は8日、中国が内政干渉を図っているとして、在トロント中国領事館の外交官1人の追放を決めた。
ジョリー外相は声明で「外国からのいかなる内政干渉も容認しないことは、今まで明言してきた通りだ。このような行為に携われば送還されるという、中国外交官らへの警告だ」と述べた。
カナダでは最近、野党議員のマイケル・チョン氏が中国による少数民族ウイグル族の扱いを批判した後、親族とともに中国の外交官から圧力を受けているとの報道が波紋を呼んでいた。チョン氏は同外交官の追放を繰り返し主張してきた。
カナダ情報当局はさらに、2019年と21年の総選挙に中国政府が介入を図ったとも指摘していた。
一方、中国側はカナダの内政への干渉を否定。在トロント領事館の報道官は5日、公式サイトへの投稿で、外交官が同国の議員や親族への脅しにかかわったという説は事実無根だとして、強い不満を表明していた。現地のメディアと政治家らが、両国間の交流や協力を妨げようとしているとも主張した。
カナダのトルドー首相はチョン氏が受けた圧力について、情報当局から報告を受けていなかったと話したのに対し、チョン氏はトルドー政権による対応の遅れを批判してきた。
ジョリー氏は先週、中国への報復措置を示唆する一方、中国側がどんな反応を示すかを慎重に検討する必要があると述べていた。