ウクライナ当局、防空システムの情報漏洩したブロガー6人に刑事手続き
(CNN) ウクライナ保安局(SBU)は18日までに、ロシアによる16日のミサイル攻撃の際、防空システムが作動する様子を写真や動画に撮影してSNS上に投稿したとして、首都キーウ在住の「ブロガー」6人に刑事手続きを取った。
SBUはテレグラムでの声明で、「ロシアによるキーウへの大規模攻撃の際、防空システムに関する情報を違法に拡散したキーウ住民6人を特定した」と明らかにした。
SBUによると、6人は16日の夜中、ウクライナの防空システムの写真や動画を無許可で撮影し、SNSに投稿した。この中には巡航ミサイルや弾道ミサイルによるロシアの攻撃の結果を記録したものも含まれていた。
SBUは、これによりウクライナの防空システムの配備地点や仕様が漏洩(ろうえい)する可能性があると指摘。これらの動画は数分以内にテレグラムのチャンネルや、プロパガンダを担うロシア国民によって発見されたという。
SBUは「占領者はウクライナの首都へ繰り返し行っている空爆を調整するために、こうした形で入手した情報を利用することができる」としている。
ウクライナでは昨年、ロシアの侵攻を受けて戒厳令が導入され、ウクライナ軍に関する「情報の無許可拡散」は違法となっている。
SBUは容疑者の自宅から携帯電話とコンピューターを押収。容疑者は最大8年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。
ロシアは16日未明、ウクライナに対してミサイルの集中攻撃を実施した。キーウ当局のトップ、セルヒイ・ポプコ氏は「異例の密度」の攻撃だったとの見方を示している。
米当局者の一人はCNNに、キーウ市内や周辺へのミサイル攻撃で米国製地対空ミサイルシステム「パトリオット」が損傷した可能性が高いものの、破壊されるには至っていないと明らかにした。