ロシア南西部で「破壊工作」、8人負傷と州知事発表 ウクライナを非難
(CNN) ウクライナとの国境に位置するロシア南西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は22日、州内で砲撃があり、少なくとも8人が負傷したと発表した。プーチン大統領に反旗を掲げ、ウクライナ軍と足並みをそろえるロシア人グループが攻撃の実行を主張している。
ロシア政府は、現地で破壊工作員のグループと交戦中だと述べた。グラトコフ知事はSNSのテレグラムに、ウクライナの「破壊工作」集団が同州国境の町グライボロンに入り攻撃を実行、破片で負傷者が出たと投稿した。
グラトコフ知事によると、砲撃で行政機関の建物1棟や複数の住宅、幼稚園1カ所が被害を受けた。死者は出ていないという。
SNSテレグラムの投稿では、「自由ロシア軍団」、「ロシア義勇部隊」を自称するグループがベルゴロド州の1集落を「解放した」と主張した。
ウクライナ国防省情報総局のアンドリー・ユーソフ報道官は、複数の部隊が現地で作戦を実行したことを認めたものの、ロシア人らによる独立した活動だとの見方を強調した。
これらの部隊について、ウクライナ国内にいる際は「防衛並びに治安部隊の一部」だが、国外では独自の行動をとると、同報道官は説明した。
ロシア大統領府のぺスコフ報道官は、ロシア軍が現在「破壊行為と偵察を行うグループ」の排除に動いていると述べた。ロシア国営タス通信が伝えた。
CNNのサム・カイリー記者によれば、ウクライナに同調した部隊が「国境を越え、ロシアの標的を狙った作戦を行う」のは、今回のベルゴロド州のケースが初めて。
グラトコフ知事は22日のライブ配信で「状況は依然として極めて緊迫している」と説明。国境の村々の視察を行い、住民らの安全確認を行っているとした。
またほとんどの住民が自分たちの交通手段で領域を後にし、自力で脱出できない住民は自治体が支援していると付け加えた。