中国が米国の「挑発」を非難、米中の軍艦が台湾海峡で衝突寸前
米インド太平洋軍によると、中国の駆逐艦は米軍艦チャンフーンの船首前を横切り、チャンフーンから約137メートルの距離まで接近した。チャンフーンは針路を保ち、衝突を避けるために10ノットまで減速した。
インド太平洋軍の声明では、中国艦が「安全でない」航行を行い、公海の安全な航行に関する海運規則に違反したとしている。
両艦が接近した際の映像は、カナダのフリゲート艦モントリオールに乗船していたカナダのテレビ局「グローバルニュース」のクルーが撮影していた。モントリオールの艦長は中国艦の行為を「プロフェッショナルではない」と非難している。
一方、中国人民解放軍は4日に発表した声明の中で、中国軍は「法規制に基づき状況に対応した」と強調。「関係国が故意に台湾海峡でトラブルとリスクを巻き起こし、悪意をもって地域の平和と安定を損ない、『台湾独立』勢力に誤った信号を送っている」と述べた。
オースティン国防長官は4日、中国軍に対して「正しいことをして行動を自制する」よう求め、米中の駆逐艦の間で起きた事態は「極めて危険」だったと強調。「事態を制御不能な状態に陥れかねない事故も起こり得ると思う」と言い添えた。
台湾はその後、台湾海峡で挑発を行っているのは米国ではなく中国だと述べ、「共に地域の平和と安定、安全を保つため、航行の自由を尊重し、過度の挑発行為を避けることを中国共産党に求める」とした。