英ヘンリー王子が法廷で証言、電話盗聴訴え声詰まらせる
ロンドン(CNN) 英王室を離脱したヘンリー王子が英新聞大手を相手取って起こした裁判で、6日と7日の2日間にわたってロンドンの裁判所で証言に立った。証言は計8時間に及び、電話を盗聴されたという主張が裁判で退けられれば「不当」だと感じるとヘンリー王子は訴えている。
証拠を提出する経験はどうだったかと自身の弁護士に質問されると、ヘンリー王子は感極まった様子で、長い沈黙の後、「かなり」と声を詰まらせ、「私の人生においてずっとマスコミは私をあざむき、不正を隠蔽(いんぺい)してきた。そして今、私はこうして法廷に座っている。(被告側が)証拠を目の当たりにし、私の訴えが臆測にすぎないと(相手側弁護士の)グリーン氏が主張することを知りながら。そのことについて何と言っていいのか分からない」と語った。
王室の上級メンバーが法廷で証言するのは1891年以来。証言はヘンリー王子の子ども時代から20代初めまでの幅広い年代に及んだ。
裁判の中でヘンリー王子側は、英ミラー・グループ・ニューズペーパー(MGN)傘下の新聞が1996年~2009年にかけ、電話盗聴などの不正な手段を使ってヘンリー王子の私生活に関する情報を収集したと訴えている。
MGN側のグリーン弁護士は6日の反対尋問で、電話盗聴の訴えについて具体的な内容を明らかにするようヘンリー王子に迫り、「もし裁判所が電話盗聴の証拠はないと判断した場合、彼は安堵(あんど)するのでしょうか、それともがっかりするのでしょうか」と問い詰めた。
ヘンリー王子は「それは臆測にすぎません。自分が安堵するのか失望するのかは分かりません」と応じ、電話盗聴は「業界規模」で行われ、「少なくとも3紙」に及んでいたことは間違いないと主張。もし自分の訴えが認められなければ「不当」だと感じると訴えた。
グリーン弁護士に「あなたは電話が盗聴されていたことを望むのですね」とたたみかけられたヘンリー王子は、「電話の盗聴を望む人など誰もいません」と応じている。