潜水艇不明、過去のツアーで延期やキャンセル相次ぐ 運航会社への訴訟も
より最近では、フロリダ州の夫婦が今年に入り、料金の払い戻しを受けられなかったとしてオーシャンゲートを提訴した。夫婦が参加予定だった18年のツアーは、再三にわたり延期されていた。
夫婦は2人分として支払った計21万258ドルのツアー料金について、全額払い戻しできると告げられていたにもかかわらず、回収できなかったとしている。ネットで公開されたフロリダ州裁判所の訴訟一覧によると、オーシャンゲートがこの提訴に応じた記録はない。
さらに昨年は、米CBSニュースの番組司会者、デービッド・ポーグ氏が参加を予定していたツアーも中止となった。同氏は番組の中で、機材の不調のため約11メートルしか潜れなかったと明らかにした。
その後の潜航では、潜水艇は母船との交信が途絶え、タイタニックの残骸を見つけることができなかったという。CBSニュースの番組に出演した当時の乗客の1人は、外部と連絡のつかない状況が2時間半続いたと説明した。
オーシャンゲートは北大西洋の海底に到達する潜航をこれまで何度も成功させている。同社の顧問が昨年11月に裁判所に提出した文書によれば、同年にオーシャンゲートのツアーでタイタニックの残骸を訪れたのは少なくとも28人。
ただそのうちの1回の潜航で、潜水艇はバッテリーの問題に見舞われ、引き揚げ用のプラットフォームを使用する際、外部の部品に軽度の損傷が発生した。このためそのすぐ後の潜航は修理等のためキャンセルを余儀なくされたが、それ以外のツアーでは残骸に到達したと、文書は述べている。
同社のウェブサイトによると、オーシャンゲートは21年にもタイタニックの残骸への潜航を何度も完遂している。