ロシア軍が民間人800人超拘束、拷問や処刑も 国連報告書
(CNN) ウクライナで起きている戦争で900人近いウクライナの民間人がロシア軍によって拘束され、そのうちの77人が処刑されたことがわかった。国連が27日、報告書を公表した。
国連人権監視団のボグナー団長は声明で、ロシア軍は「民間人の拘束者に対してさまざまな拷問や虐待を行った」と述べた。一部の事案では拘束者に性的暴行を加えたという。
報告書では2022年2月から23年5月までを調査した。
ボグナー氏によれば、ウクライナ軍に協力したという自白を強要したり、親ロシア派当局への協力を強制したり、親ウクライナの意見を持つ人を脅迫したりするために拷問が用いられたという。
拘束された民間人の中には、地元の公務員や人道関連のボランティア、聖職者、教員が含まれる。
報告書によれば、民間人の拘束者の多くは非公式の拘禁場所に隔離され、劣悪な状況であることも多かった。文書化された事案のうち約4分の1で、民間人の拘束者は占領地内の別の場所に移送されたり、ロシアに連行されたりした。多くの場合、家族には長期間にわたって情報が開示されなかった。
ウクライナ軍による民間人拘束の証拠も発見された。ウクライナ軍による拘束は75件で、大部分が紛争に関連した容疑だった。ウクライナ軍によって恣意(しい)的に拘束された人のうち半数以上が拷問や虐待を受けたと報告した。
ボグナー氏によれば、ウクライナは、87人のロシアの水兵の事案を除いて、公式の勾留場所や拘束者に対する訪問を認めた。一方、ロシアは国連からの要請にもかかわらず、そうした訪問を認めなかった。