中国外相、公の場に3週間以上姿見せず 臆測飛び交う
香港(CNN) 中国の秦剛(チンカン)外相(57)が3週間以上前から公の場に姿を見せなくなり、さまざまな臆測が飛び交っている。
生え抜きの外交官で習近平(シーチンピン)国家主席が信頼する側近の秦氏は、駐米中国大使を経て昨年12月に外相に昇進。対米関係が悪化する中で、6月に中国を訪問した米国のブリンケン国務長官と会談するなど、米中関係の安定化に向けて重要な役割を果たしていた。
ところが北京でスリランカやベトナム、ロシアの当局者と会談し、ロシアのルデンコ外務次官と並んで笑顔で歩く姿が目撃されたのを最後に、6月25日以来、公の場に姿を見せなくなった。
「中国の世界における立場や影響力を考えると、外相が20日以上も公の場に姿を見せないのは本当におかしい」。米国に住む中国共産党機関紙の元編集者はそう語る。
中国外務省報道官は17日の記者会見で、秦氏の長期不在について質問されると「提供できる情報がない」と述べ、中国の外交活動は平常通りに行われていると言い添えた。
秦氏は今月上旬、欧州連合(EU)外交政策トップのボレル氏と北京で会談する予定だった。しかしロイター通信によると、中国からEUに対し、この日程が「不可能になった」と連絡があり、会談は延期された。ボレル氏は5日に北京に到着する予定だったが、中国から連絡があったのはわずか2日前だったという。
秦氏はインドネシアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議にも出席しなかった。ロイター通信によると、中国外務省報道官は11日の定例会見で、秦氏は「健康上の理由で」ASEANの会議に出席できないと説明した。しかしこの説明は、その後外務省の公式サイトに掲載された会見記録からは欠落していた。