タイ国会、野党党首の首相指名選を阻止
(CNN) タイの国会は19日、野党・前進党のピター・リムジャラーンラット党首の首相指名選実施に反対する動議を賛成多数で可決した。5月の総選挙で勝利した前進党だが、親軍政権による統治が10年近く続く中で、党首の首相選出を阻まれた形だ。
ピター氏の2回目の首相指名選に反対する動議を巡っては、出席した国会議員715人中、395人が賛成票を投じた。指名選実施を支持したのは312人だった。8人は棄権。ピター氏本人は票を投じなかった。下院議長が明らかにした。
これに先駆け、タイの憲法裁判所は、ピター氏の議員資格を停止していた。これは選挙管理委員会によるピター氏への申し立てを受けた措置で、同委はピター氏が選挙法に違反し、メディア企業の株を保有していると訴えている。
ピター氏はかねて違反を否定。選管がこの件を急いで裁判に持ち込もうとしていると非難していた。
前進党はタイの国家運営を巡り、大規模な構造改革を行うことを公約に掲げる。具体的には軍隊や経済の改革、権力の集中排除に加え、これまで触れられることのなかった王制の改革にも前向きな姿勢を示す。