タイの「ロスジェネ」、総選挙で変化を渇望
(CNN) 総選挙を14日に控えるタイで、「ロスト・ジェネレーション(ロスジェネ=失われた世代)」に属する若い有権者らが勢いに乗っている。変化への渇望に突き動かされたこれらの若年層は、軍の権力支配や王室の改革といった、過去にはタブー視されていた問題に関しても活発な議論を交わす。
同国で総選挙が行われるのは、若者たちが主導した2020年の大規模な民主化要求デモ以降初めて。選挙で選ばれた政権を排除した14年の軍事クーデター以降でわずか2回目となる。クーデターにより権力を取り戻した保守的な一派は、過去数十年にわたってタイ国内の混乱した政局を裏で操ってきた勢力だ。
民主派と軍政派の政党が争う従来の構図は健在ながら、今年の選挙の中心となる戦いを主導するのは若い世代だ。彼らは自分たちにとってより良い姿のタイを求めている。
世論調査では大衆主義のタイ貢献党と進歩的な前進党がリードしている。両党とも軍の政治からの排除を掲げて選挙戦を戦う。
野党・タイ貢献党は地滑り的勝利を狙う。36歳のペートンタン氏は党の擁立する3人の首相候補の一人で、物議を醸す政治家一族のメンバーだ。
父のタクシン氏、叔母(おば)のインラック氏は共に首相を務めたが、軍事クーデターで失脚。国外に逃亡している。タイの裁判所は両氏に対し、被告不在のまま汚職の罪での禁錮刑を言い渡した。
タイの農村と都市部の労働者階級の間で絶大な人気を誇るタクシン派の政党は、01年以来選挙で勝ち続けている。