オデーサの大聖堂、ロシア軍のミサイルで損傷 死者も
(CNN) ロシア軍の攻撃が続くウクライナ南部の港湾都市オデーサで23日、ウクライナ正教会の大聖堂がミサイルで大きく損傷した。ウクライナ当局者によると、この攻撃で少なくとも1人が死亡し、複数人が負傷した。
大聖堂はユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に指定された市中心部の歴史地区に位置する、市内最大のキリスト教施設。200年以上の歴史を持ち、旧ソ連時代の1936年に破壊されたがウクライナ独立時に再建された。
攻撃後の映像には、がれきの散乱する内部の様子が映っている。ウクライナ当局者によれば、がれきの下から市の守護聖人の肖像が回収された。
ウクライナ軍の作戦司令部がSNS「テレグラム」を通して発表したところによると、オデーサへのミサイル攻撃で数十台の車両が破損し、多くの建物の外壁や屋根が壊れたり、窓ガラスが吹き飛ばされたりした。市内数カ所にミサイルの着弾した穴ができ、停電で交通機関にも影響が出ている。
ロシア国防省は「テロ行為」の準備が進んでいた場所を攻撃し、計画通りにすべての標的を破壊したと発表。大聖堂を狙ってはいないと主張した。
ロシア軍がこの1週間、オデーサに繰り返している攻撃では、ウクライナ軍の防空システムで対応できない型のミサイルが使われている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、平和的な街の住宅や大聖堂にミサイルを撃ち込む「ロシアの悪事」に弁解の余地はないと非難し、報復を予告した。
また、ウクライナ東部ハルキウ州では22日から23日にかけ、ロシア軍の大砲や迫撃砲、航空機による大規模な攻撃があり、少なくとも2人が死亡。住宅3棟を含む民間施設に被害が出た。