ウクライナ軍の南部戦線司令官、反転攻勢で一定の成果と報告
(CNN) ウクライナの反転攻勢がより積極的な新局面に入りつつあるとみられる中、南部戦線を指揮するウクライナ軍のオレクサンドル・タルナフスキー司令官は29日までに、自身の部隊がロシア軍の撃退に一定の成果を上げていると報告した。
タルナフスキー氏は「防衛軍は組織的に敵を押し返しており、一定の成功を収めている」と述べた。
さらにウクライナ軍が27日に制圧を主張した南東部の村を挙げ、「特にドネツク州のスタロマイオルスケを解放し、陣地を固めているところだ」とした。
タルナフスキー氏が指揮する地域にはドネツク、ザポリージャ両州の南部が含まれる。こうした地域では激しい戦闘が進行中だという。
タルナフスキー氏によると、ロシアは過去1日の間にウクライナ軍の陣地に少なくとも17回の攻撃を仕掛け、火砲を数百回発射した。一方、ウクライナの砲兵部隊は攻勢に出ており、同じ期間に1500回超の射撃任務を実施したという。
戦況に関するウクライナ、ロシア両国の主張を検証するのは不可能だが、ウクライナはペースが上がらなかった数カ月を経て、反転攻勢を強化しているとみられる。ウクライナ当局は今週、CNNの取材に対し、南部戦線に新たな兵員を投入していることを明らかにした。
27日には、タルナフスキー氏の報告にあるスタロマイオルスケ村にウクライナ兵が立っている様子を収めた動画が公開された。
SNS上では28日、「竜の歯」と呼ばれるロシアの長大な防衛線にウクライナ軍が初めて到達したとみられる動画も拡散した。竜の歯はコンクリート製の対戦車障害物で、ロシアがウクライナ南部の領土奪還作戦を遅らせるために敷いた多層防衛のひとつ。