ウクライナ穀物の陸地輸送、EUの経費負担を提案 欧州委員
(CNN) 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会の農業担当委員は29日までに、ウクライナ産穀物の黒海を通じた輸出協定からのロシアの離反を受け、欧州内での陸地輸送に必要となる追加の経費をEU加盟国が負担すべきだとの考えを示した。
ロシアは先に、トルコや国連が仲介した黒海を通じたウクライナ産穀物輸送の協定からの離脱を発表。これを受けEUは輸出向けのウクライナ穀物の全量を欧州内に設ける「連帯の陸路」を通じて目的地へ届ける作業の準備を表明していた。
EUのボイチェホフスキ欧州委員(農業担当)がベルギー・ブリュッセルでの記者会見で述べた。委員はウクライナの隣国であるEU加盟国内で陸地の通過地点を追加した場合、輸送コストの急増につながるだろうとも予想。
そうなればロシアが恩恵を被る状況にもなりかねないとし、EUがロシアに科す制裁では食料問題は除かれているとの現状を踏まえ、ウクライナ産穀物の調達よりロシア産の方が割安となる事態も起こり得ると指摘した。
同議員はその上で、ウクライナ産穀物の輸送費に絡む問題の協議を欧州委に提案する意向を表明。コスト負担はEUが引き受けることも想定した。