ウクライナの戦場で負傷した将兵2人、帰属する国で命運分かれる
恐らく数キロ離れた別の戦線では、救出劇もより陰惨なものとなるようだ。
現地のウクライナ軍がロシア軍の陣地を攻撃すると、同軍は後退。司令官が砲撃で重傷を負ったが、ロシア軍は彼が死亡したと思い込み、そのまま退却した。
ウクライナ軍の撮影した動画には、この司令官の生存を確認したウクライナ軍が手当てを施す様子が映っている。本人の安全のため司令官の氏名は明かされていないが、ロシア国内の報道によるとこの司令官には死亡後に贈る勲章が授与されたという。戦場に置き去りにされ、同朋から死を宣告された形だ。
司令官と対峙(たいじ)したウクライナ軍の兵士によれば、この司令官は兵士らに自分を撃つよう要求した。兵士らは司令官に自決の機会を与えたが、自分では出来ないと答えたという。
「彼はあくまでも敵なので、本音を言えば助けたくはなかった」と、この兵士は明かす。しかし命令には従わなければならず、生かしておくことで捕虜の交換も可能になると述べた。
別の兵士は、一人の人間として考えればロシア軍が司令官を置き去りにしたことに衝撃を受けたと振り返る。しかし兵士としては、これが敵にとっていつものやり方なのだと理解していると語った。