習氏とモディ氏、国境緊張緩和の「取り組み強化」で合意 異例の対面協議
(CNN) インドのモディ首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が23日、国境係争地の緊張緩和に向けた「取り組みを強化」することで合意したことが分かった。3年あまり前に国境地帯で衝突が発生して以降、両首脳が対面で協議するのは珍しい。
インドのクワトラ外務次官が24日に明らかにしたところによると、両氏は南アフリカで開催された新興5カ国(BRICS)首脳会議の場で話をしたという。習氏は前日の22日、重要会合を理由を明らかにせず欠席していた。
インドと中国の間では長年、国境係争地が緊張の種になっており、1962年には戦争に発展。これは中国の勝利に終わった。未画定の国境は実効支配線(LAC)と呼ばれ、その後も両国の対立要因になってきた。
クワトラ氏によると、モディ氏は「国境地帯の平和と平穏を維持する重要性、そしてLACの順守と尊重が印中関係の正常化に不可欠なことを強調した」という。
中国外務省は25日の声明で、両首脳が「現在の中印関係について率直で踏み込んだ意見交換を行った」と説明。「習主席は中印関係改善が両国家と国民の共通の利益に資すると強調した」とも述べた。
モディ氏と習氏は昨年9月、ウズベキスタンで開かれた上海協力機構(SCO)の首脳会議に参加したものの、外交的な接触はなかった。その数週間後には、インドネシア・バリ島で行われた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で短い会話を交わしていた。