ガボン、軍関係者がクーデター宣言 大統領は自宅軟禁
(CNN) アフリカ中部ガボンで軍関係者が30日、クーデターでボンゴ大統領から権限を奪取したと宣言した。半世紀に及ぶ大統領一家による統治が崩壊の危機にひんしている。
テレビの全国放送に現れた軍服姿の男らは、大統領が自宅軟禁に置かれ、家族や医師らが付き添っていると明らかにした。首都リーブルビルではクーデターを歓迎する様子が見られ、銃声が聞こえる一方、国際社会からは非難が集まっている。
軍関係者らはその後、ブリス・オリギ・ンゲマ大将が暫定トップに座ると発表。「制度移行・回復委員会(CTRI)」と称するグループの報道官は、オリギ氏が満場一致で「暫定大統領」に指名されたと全国放送で伝えた。
軍関係者の報道官によると、大統領の息子など7人が「重大な反逆」の罪で逮捕された。今後、当局が捜査を進めるとしている。
AFP通信は、ボンゴ大統領が自宅軟禁後に「友人」に向けて「騒ぎ立てる」ように求める様子を撮影した映像を公開した。ボンゴ氏は図書室のように見える場所でいすに座り、「私の息子はどこかにいる。妻は別の場所だ」「私は住居にいる。何も起きていない、何が起きているのかわからない」と語った。
「友人」に向けて「騒ぎ立てる」ように求めるボンゴ氏=ガボン・リーブルビル/BTP advisers on behalf of the President's Office/AP
ボンゴ氏の撮影がどのような状況下で行われたのかは不明。
AFP通信は、リーブルビルで兵士らがクーデターを起こしたオリギ氏をたたえる映像も伝えた。オリギ氏は「大統領」と叫ぶ兵士らの肩に乗っていた。
オリギ氏は仏紙ルモンドに対し、軍幹部が30日に集まり権力移行に向けたリーダーを選ぶと説明。ボンゴ大統領は「引退」させられたが、「通常のガボン市民」として全ての権利を行使可能だと述べた。ボンゴ氏は最近行われた大統領選で勝者と発表されていた。
CNNが入手した映像には、リーブルビル市内で「解放された」と叫び、ガボンの国旗を振る人々の様子が軍の車両とともに映っている。
アフリカ連合(AU)平和・安全保障理事会の議長は30日、ブルンジ、カメルーン、セネガルの代表と緊急会合を開いた。AU委員会の委員長はボンゴ氏の排除を非難し、クーデター関係者に「民主的な憲法上の秩序」を回復するよう要求した。
ナイジェリアのティヌブ大統領の報道官は、大統領がガボンの状況を注視し、AUの各国首脳と今後の対応に向け協議していると明らかにした。