ヒズボラ指導者の葬儀に数万人が参列、イスラエル軍による暗殺から5カ月 レバノン
(CNN) レバノンの武装組織ヒズボラの指導者だったハッサン・ナスララ師の葬儀が23日、首都ベイルートで営まれた。ベイルート南郊でイスラエルの空爆によって殺害されてから、およそ5カ月後の葬儀だった。
イスラエルの攻撃によって大きく弱体化したヒズボラにとって、ナスララ師の葬儀は軍事的、政治的勢力を誇示する場だった。現地メディアや国営メディアによると、葬儀の間、イスラエルはレバノン南部と東部の複数地点を攻撃した。イスラエルはヒズボラの兵器庫を攻撃したと主張している。
ナスララ師の棺(ひつぎ)が現れると、イスラエル軍の戦闘機が編隊を組んで葬儀の主会場の上空を超低空飛行した。イスラエル軍は同日、ナスララ師暗殺の場面とする映像も公開した。
葬儀会場となったベイルート最大級の競技場には数万人が詰めかけ、周辺の道路も参列者で埋め尽くされた。ベイルート南部の埋葬地へ向かう棺には大きな葬列が続いた。
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ナスララ師の遺体をおさめた棺を運ぶ車両/Reuters
ヒズボラの最高指導者ナイム・カセム師は別の場所からの中継で演説し、「たとえ我々全員が殺されようとも」ナスララ師の道を歩み続けると宣言した。
23日の式典では、ナスララ師の後継とされたハシム・サフィエディン師も追悼された。サフィエディン師は後継に指名された数日後の昨年10月初旬、やはりイスラエルの攻撃によって殺害された。
イスラエル軍が昨秋行ったレバノン南部の攻撃でヒズボラ幹部はほぼ壊滅状態となり、戦闘員は数千人が殺害された。何百人もの市民も犠牲になった。
昨年11月にはヒズボラとイスラエルの間で停戦合意が成立したが、イスラエルはヒズボラの拠点を狙ったとする攻撃を続けており、ヒズボラは一層深い潜伏を強いられている。