ドイツ総選挙 野党メルツ党首が勝利宣言、極右政党が第2党に
ドイツ総選挙、野党勝利へ
ベルリン(CNN) 23日に投票が行われたドイツの総選挙で、中道右派の野党「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が政権を奪還する見通しとなった。極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」は第2党になる見通し。今回の選挙は移民や経済、米国のドナルド・トランプ大統領の復帰に対する懸念が主な争点となった。
CDU・CSUの本部は23日夜、出口調査で第1党への返り咲きが確実になると拍手と歓声に包まれた。本部前にはフリードリヒ・メルツ党首の移民に対する強硬姿勢に抗議して、少数のデモ隊も集まった。
メルツ党首は首都ベルリン中心部で行った演説で勝利を宣言。「パーティーを始めよう」と支持者に語りかけ、すぐにも連立に向けた交渉に着手する意向を示した。
出口調査の結果、CDUは28.8%の票を獲得し、メルツ氏が首相に就任する見通しとなった。
第2党となるAfDは前例のない20.2%を獲得し、かつて過激派と疑われた末端政党が一大政治勢力として浮上した。
同党は支持率のほぼ倍増が確実になると熱狂的なムードに包まれ、支持者らは歓声を上げてドイツ国旗を振りかざした。壇上に上がったアリス・ワイデル共同党首は、同党が「これほど強かったことはない」と支持者に語りかけた。

選挙での躍進を喜ぶ「ドイツのための選択肢」のワイデル共同党首やクルパラ共同代表ら=23日、ドイツ首都ベルリン/Soeren Stache/Pool/AFP/Getty Images
オラフ・ショルツ首相率いる中道左派の社会民主党(SPD)は得票率16.2%で第3党になる見通し。25.7%を獲得した2021年の選挙から大きく後退した。
左派の「左翼党」の躍進も目を引いた。出口調査で得票率は8.5%と、議席獲得に必要な5%を大きく上回った。