ブルーオリジンとスペースXのロケットの残骸、バハマと欧州で見つかる
(CNN) 米宇宙企業ブルーオリジンのロケットのノーズコーンだった巨大な残骸が、カリブ海の島国バハマを構成する島の一つに流れ着いた。島は観光地の近くに位置していた。欧州では、米同業スペースXのロケットに由来する残骸が燃えながらドイツ上空を横切った。また燃料タンクらしき物体がポーランドにある会社の敷地内に落下した可能性も取り沙汰されている。
今週発生したこれらの事案は、スペースXの宇宙船「スターシップ」が先月の試験ミッション中に海洋上空で爆発した問題とは無関係。この時はカリブ海の英領タークス・カイコス諸島近くに残骸が降り注いだ。住民によれば、浜辺や道路などから破片を除去する作業は現在も続いているという。
こうした状況は、ロケット打ち上げの回数増加に伴い、宇宙ごみが人の居住地域に落下する恐れも高まっていることを浮き彫りにする。
欧州宇宙機関(ESA)によると、宇宙ごみは地球へと常に落下し続けているが、その大半は分厚い地球の大気に時速数千キロで再突入する際、木っ端微塵(みじん)に吹き飛ぶという。
「中程度の大きさの人工衛星やロケット部品なら、ほぼ連日大気圏に再突入している。小型で動きを追跡されている破片物であれば、再突入の頻度はさらに上がる」と、ESAは説明する。
とはいえ、スペースXのロケット部品が今週、筋を描いて欧州の空を駆け抜けたのは珍しい出来事だった。この残骸は通常ミッションをこなしていた「ファルコン9」ロケットの第2段からのものだった。
ファルコン9は今月1日、「スターリンク」用の衛星を搭載して米カリフォルニア州から打ち上げられた。衛星の軌道投入には成功したものの、ロケットの上部については制御された状態での海洋への着水を完了できなかった。ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者、ジョナサン・マクダウェル氏が明らかにした。
ソーシャルメディアに投稿された画像や動画には、ロケット上部が崩壊しながら宇宙から現れ、空を突っ切る様子が捉えられている。
ESAは、ドイツの電車運転士が流星か何かだと思って撮影した動画を当該のロケットの残骸と確認の上で共有した。