サウジ裁判所、批判ツイート投稿の元教員に死刑判決
(CNN) サウジアラビアの裁判所が、ネット上の発言を理由に元教員の男性に死刑を言い渡した。家族や人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチが明らかにした。
死刑を言い渡されたのは元教師のムハンマド・アルガムディさん(54)。きょうだいのサイード・ビンナセル・アルガムディさんによると、「汚職や人権侵害を批判する5本のツイート」を投稿したことで罪に問われたという。
ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、ムハンマドさんは昨年逮捕されて弁護士にもほとんど面会できないまま、「宗教や正義に反する形で国王や皇太子を表現」した罪のほか、「テロ思想の支持」「テロ組織との連絡」「テロ犯罪実行の意図をもった」偽ニュース発信などの罪に問われ、今年7月に有罪を言い渡された。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは8月29日、「サウジアラビアの弾圧は新たな恐ろしい段階に達した。平和的なツイートだけで、裁判所が死刑を言い渡すことができる」としてこの判決を批判した。
きょうだいのサイードさんはサウジアラビア政府を批判している著名イスラム学者で、亡命先の英国に在住。「サウジ当局は私に何度もサウジアラビアに戻るよう求めたが、私は応じなかった。今回の死刑判決は、私の行為に対する報復の可能性が非常に大きい。そうでなければこれほどの厳罰を言い渡されるはずがない」と話している。