米国の劣化ウラン弾の供与は「犯罪行為」 ロシアが主張
(CNN) 米政府がウクライナへの初の劣化ウラン弾供与を約束したことを受け、ロシアのリャブコフ外務次官は7日、米国による「犯罪行為」だと非難した。ロシア国営メディアが報じた。
劣化ウラン弾の供与は6日発表された10億ドル(約1470億円)規模の対ウクライナ支援に盛り込まれた。
劣化ウラン弾は今秋ウクライナに到着する予定の米戦車「エイブラムス」から発射することが可能。原子力発電所の燃料を製造する際の副産物である高密度の金属から作られているため、わずかに放射能を帯びている。
ロシア国営RIAノーボスチ通信によると、リャブコフ氏は核不拡散に関するセミナーの後で劣化ウラン弾の供与に触れ、「この種の兵器の戦場での使用がもたらす環境への影響をあからさまに無視する米政府の姿勢の表れ」だと主張した。
さらに「誰がそれを吸い込むのか、どこに積もるのかを気にかけていないことは明白だ。現在戦闘中の者にどのような影響があるか、今後この地で生活していく世代に何が起きるのかも考慮されていない」と指摘した。
国際原子力機関(IAEA)によると、劣化ウランは目標命中時により鋭利になることから、装甲を貫通させる目的の弾薬に使用される。「天然ウランに比べ放射能は相当弱い」という。