ウクライナ大統領、ロシアの拒否権無効化を要求 国連安保理会合で
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、国連安全保障理事会の会合で発言し、ロシアの拒否権を無効にすることを求めた。ロシアによる侵攻を阻止し、国連憲章の原則を守るため、「これこそが最初に必要な措置だ」と強調した。
「戦争を止めることができないのは、全ての努力に対して侵略者が拒否権を行使するからだ」と、ゼレンスキー氏は指摘した。
これに対しロシアのラブロフ外相は、会合の中で自国の拒否権を擁護。「西側の攻撃的な一派が拒否権を侵害する話を進めている」とし、「拒否権は全く正当な手段であり、国連憲章に定められている。組織の分断につながる決定の採択を防ぐためのものだ」と主張した。
1945年署名の国連憲章の下で設置された安保理は当初、5つの常任理事国と6つの非常任理事国で構成されていた。常任理事国の米国、英国、フランス、ソ連、中華民国には、各々が反対するいかなる決議も拒否できる権限が与えられた。
現在非常任理事国の数は10カ国に拡大した。常任理事国はソ連の席をロシアが、中華民国の席を中国がそれぞれ占め、拒否権もそのまま維持されている。