イスラエル、戦時内閣樹立 ガザへの攻撃強化
ガザ/エルサレム(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相と野党を率いるガンツ前国防相は11日、共同声明で、戦時内閣を樹立すると発表した。イスラエルでは、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによる奇襲を受け、国境付近の集落で少なくとも1200人が死亡したほか、数千人余りが負傷している。
ガンツ氏は、ネタニヤフ氏と、現在国防相を務めるガラント氏とともに、「戦争管理内閣」を組閣する。
ガンツ氏はテレビ演説で、「戦争の時と平和の時がある。今は戦争の時だ」と述べた。
声明によれば、政府は戦争の遂行に関係のないいかなる法律も可決せず、いかなる決定も下さない。
イスラエルは今月7日に始まったハマスによる攻撃を受けて、ガザへの攻勢を強めている。ハマスは厳重に要塞(ようさい)化された国境を越えてイスラエルに侵入。住宅や農場などを襲撃して、最大150人の人質を取ってガザに戻った。
イスラエルは、ガザへの電気や食料、水、燃料の供給を断つなど「完全包囲」を指示。ガザの発電当局の幹部によれば、11日にはガザで唯一の発電所が燃料不足のため停止した。
同幹部によれば、発電機は依然として使用できるものの、国境の両側が封鎖されているため、発電機を動かすための燃料もなくなりつつある。
パレスチナ保健省は、病院の燃料が12日にも不足して「壊滅的」な状況に陥ると警告した。
パレスチナ保健省は11日、ガザ以外にもヨルダン川西岸地区と東エルサレムでも暴力が増加し、計29人のパレスチナ人が死亡したほか、150人が負傷したと明らかにした。