米、民間人のガザ脱出ルート確保でエジプトなどと協議
(CNN) 米国の当局者は11日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が激化していることを受けて、民間人がガザを脱出するための安全なルートの確立についてエジプトやイスラエルと協議していると明らかにした。
当局者の1人によると、イスラエルの隣国エジプトはガザに食料や医療物資を送るのに人道回廊を使うことを希望しているものの、ガザから脱出する市民を受け入れるための国境開放には難色を示しているという。
国務省のミラー報道官はCNNに「ガザにいる米国市民が退避できるようにすることが重要だ」などと述べ、実現に向けて取り組んでいることを明らかにした。
人道回廊の設置を求める声は高まっている。CNNの取材に応じたガザにいる米国人はイスラエル軍が激しく攻撃しているガザから逃れる安全なルートがなく、閉じ込められているように感じると不安を口にした。
ガザを脱出するエジプト経由の唯一のルートは攻撃のために、またイスラエル軍の侵攻が近いとみられていることから10日に閉鎖されたと報じられた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は同日、脱出ルートの確保についてイスラエルやエジプトと協議していると明言。「米政府は運用をどのように支援するかにフォーカスしている」などと説明した。
ミラー、サリバン氏共に脱出ルートの運用開始時期は示さなかった。
サリバン氏はここ数日、エジプトのカメル情報長官と協議しており、当局者らはバイデン米大統領がエジプトのシーシ大統領と協議することを期待している。
ミラー氏は「民間人が保護され、標的にされないことを望む。イスラエルが戦争法にのっとることを期待している」と述べた。