ガザ唯一の発電所が燃料切れで停止、全土停電 病院にも危機
(CNN) イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区の電力供給組織の責任者は11日、同地区で唯一の発電所が燃料不足に陥り、稼働を停止したと述べた。CNNの取材に明らかにした。
「ガザは現在、停電の状態にある」とし、住民は電力確保のため発電機を使っているが、ガザ地区の境界線全てが封鎖されているため、発電機の作動に必要な燃料も切れかけていると説明した。
イスラム組織ハマスが実効支配するガザの保健省は、地区内の病院が頼っていた発電機用の燃料が12日に払底するとの見通しを示した。配電がなければ悲惨な治療環境などに見舞われると警告した。
ハマス当局は11日、給電は「数時間内に完全に止まるだろう」とも指摘。基本的な生活サービスの提供に制限が生じるとも述べた。
一方、国際NGO「国境なき医師団」(MSF)も同日、ガザ地区内の病院は患者であふれかえっており、薬剤、医療物資や電力が不足しているとの窮状を報告。イスラエル軍の爆撃などで人道危機が急速に進んでいるとの現状を訴えた。
同団体の米国支部の幹部は声明で、ガザにあるMSFの医療施設は9日、爆発に巻き込まれ軽微な損壊を被ったと報告。運営に支障はないとしながらも、看護師と救急車の運転手が爆撃で死亡し、他の複数も負傷したと明かした。
ガザ保健省は11日、イスラエルの空爆などによる住民らの死亡者数は950人に増え、負傷者は約5000人とした。イスラエル軍は、ハマスのロケット弾などの攻撃での国民の犠牲者数は少なくとも1200人とした。