世界を覆う抗議の渦 ユダヤ人警備強化、パレスチナ支持集会の禁止も
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム勢力ハマスのイスラエル攻撃を発端として、世界各地でイスラエル支持派とパレスチナ支持派の両方が抗議デモや集会、追悼集会を展開している。
デモ隊は各国の大使館前や政府庁舎前に集結しており、1948年のイスラエル建国前から存在していたパレスチナとイスラエルの緊張状態に、改めて世界の注目が集まった。
各国のシンボル的建造物の多くは、フランス・パリのエッフェル塔からオーストラリア・シドニーのオペラハウス、米首都ワシントンのホワイトハウス、ニューヨークのエンパイアステートビルに至るまで、イスラエル国旗を表す青と白のライトアップで連帯を示した。
世界中の指導者や当局者、有名人らも相次ぎイスラエルに哀悼の意を表している。
イスラエル支持派がそうした連帯の表明を歓迎する一方で、各国ともユダヤ教施設の警備強化を強いられている。
米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省は「公衆安全上の懸念」があるとして、州や自治体の警察などに警戒を指示した。ただし現時点で、米国への脅威を示唆する具体的な情報はないとしている。
ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は10日、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)、イェシバ(ユダヤ教神学校)、ユダヤ人博物館や文化センターなど、標的とされる恐れのある施設で警戒に当たっている州警察から説明を受けたと語った。
「現時点で確かな脅威は存在しない。だがネオナチや白人至上主義者、ハマス支持の過激派からの発言が増えている」(ホークル知事)