ガザへの支援物資搬入に向け「人道的停止」を EU外交トップ
(CNN) 欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は、パレスチナ自治区ガザ地区に対して、必要な物資をより多く、より早く搬入するよう呼び掛けた。イスラエルによる封鎖と絶え間ない攻撃により、ガザでは壊滅的な人道危機が引き起こされている。
ボレル氏は記者団に対し、加盟国の外相が23日のEU外相会合で、ガザへの支援物資の移送を促進するための「人道上の一時的な停止」の可能性について協議を行うと明らかにした。
ボレル氏は、最も重要なことはガザへの人道支援を呼び掛けることだと指摘。ボレル氏は、支援物資を搭載したトラックが列を作って待機しているとし、ガザで必要とされるものを搬入しなければならないと強調した。
パレスチナとエジプトの当局によれば、週末には2度にわたって支援物資を積んだトラックがガザに入った。
ガザ地区に到着した人道支援トラックを空から捉えた写真/Belal Al Sabbagh/AF/Getty Images
人権団体は、ガザでは200万人以上の人々が水不足に陥って、飢餓の危機にさらされており、現地の惨状を改善するにはさらに多くの物資が必要だと警告している。病院は深刻な供給不足に直面しており、一部では多すぎる遺体に対処するために、アイスクリームのトラックを遺体安置所として使用せざるを得ない状況だという。
イスラエルはガザに入る食料や燃料、水を完全に封鎖しているほか、海水淡水化プラントやガザ唯一の発電所など重要なインフラに対する電力供給も止めている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、パレスチナの民間人に対する「集団的懲罰」は戦争犯罪に相当するとの見方を示した。
ボレル氏は、発電所や淡水化プラントの稼働に必要な燃料の供給が必要だと述べた。ボレル氏はまた、イスラム組織ハマスに拘束された人々の解放が必要だとの認識を示した。