ヨルダン王妃、西側は「明らかな二重基準」 イスラエルとハマスの戦争で
(CNN) 中東ヨルダンのラーニア王妃は24日、CNNのインタビューに答え、イスラエルとハマスの戦争を巡って「明らかなダブルスタンダード(二重基準)」が存在するとの見解を示した。具体的には西側世界が今月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃を非難しながら、イスラエル側のパレスチナ自治区ガザ地区への空爆は非難せず、停戦を求めてもいない点を挙げた。
「10月7日の奇襲が起きた際、世界は即座に明確なイスラエル支持に回り、同国の自衛権を擁護すると共に攻撃自体も非難した。しかしこの数週間で目の当たりにしているのは世界の沈黙だ」と、ラーニア王妃は語った。
「銃を突きつけて一家を皆殺しにするのは間違いだが、砲撃で死なせるのは問題ないとでも言うのだろうか? ここには明らかなダブルスタンダードがあると思う」「アラブ世界にとっては衝撃的というほかない」(ラーニア王妃)
批判の矛先は、イスラエルによる「ガザの無差別爆撃」が行われる中で停戦を要求しない各国首脳に向けられた。
「だから沈黙は耳に痛いものとなる。私たちの地域に属する多くの人々にとって、西側世界は現状に加担していると映る。イスラエルを支持し、支援を施すことで彼らは共犯になる」「アラブ世界の多くの人々は西側世界に対し、単にこのような状況を容認しているのではなく、助長し、けしかけていると見なしている」(ラーニア王妃)
その上でラーニア王妃は、ヨルダン国民が深い悲しみで一つになっていると説明。自身もガザから寄せられる衝撃的な画像に信じられない思いを抱いていると明かした。
米国のブリンケン国務長官は24日、国連安全保障理事会の構成国に対し、影響力を駆使してイスラエルとハマスによる戦争の拡大を止めるよう呼びかけた。この中でブリンケン氏は、人道支援物資をガザ市民に届けるため「人道上の一時的休止を考慮しなくてはならない」と述べたが、「停戦」の語を使用するのは避けた。
バイデン米大統領は23日、「停戦」を呼びかけた後ですぐさまこれを訂正。「停戦ではない。人質が解放されるべきだ。話し合いができるのはその後だ」と述べていた。
一方、国連のグテーレス事務総長は、かねて「即座の人道上の停戦」を求めている。