クリーンエネルギー転換が進行、化石燃料需要は30年までにピーク IEA
ロンドン(CNN) 国際エネルギー機関(IEA)は24日、世界でクリーンエネルギーへの転換が急速に進んでいるとする報告書を発表し、化石燃料の需要は2030年までにピークを越えるとの見通しを改めて示した。
IEAは報告書の中で、クリーンエネルギーの「驚異的な」成長を強調。30年までに電気自動車の数は10倍近くに増え、クリーンエネルギーが世界のエネルギー消費に占める割合は現在の30%から50%近くまで上昇するとの見通しを示した。
IEAによれば、世界最大のエネルギー消費国である中国の成長鈍化も、化石燃料の需要を抑える要因となる。
中国のエネルギー需要は25年前後にピークを越える見通し。同国は昨年、電気自動車の納車台数が世界全体の半分以上を占めるなど、クリーンエネルギー大国の地位を確立しつつある。
IEAのビロル事務局長は声明で「クリーンエネルギーへの転換が世界中で起きている。その勢いは止められない」と主張。もはや「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」の問題で、早ければ早いほど全員の利益になるとの認識を示した。
これとは対照的に、主要産油国で構成する石油輸出国機構(OPEC)は、石油価格の上昇を避けるために45年までに少なくとも12兆ドル(約1800兆円)の投資が必要だと主張している。
米石油・ガス大手のエクソンモービルとシェブロンは最近、同業のパイオニアとヘスをそれぞれ買収すると発表した。
ビロル氏は一方で、クリーンエネルギーへの転換が加速しても、温室効果ガス排出による気候変動を抑えるには不十分だと指摘。現状の政策では排出量が減らず、世界の平均気温は今世紀中に産業革命前に比べ2.4度前後上昇するとの見方を示した。