「脳死」判定の少女が死亡、ヒジャブ未着用で風紀警察が暴行か イラン
(CNN) イランで女性が頭にかぶるよう義務付けられている布「ヒジャブ(ヘジャブ)」を着用しなかったため風紀警察に襲われたとされ、「脳死」状態と判定されていた16歳の少女が死亡した。
イラン国営通信(IRNA)は、脳の損傷で昏睡(こんすい)状態に陥っていた患者が死亡したと伝えた。
活動家らによると、アルミタ・ゲラバンドさん(16)は今月、首都テヘラン市内の地下鉄駅で襲われ、病院に収容されていた。
イラン国会では先月、ヒジャブ着用義務に違反した女性たちへの罰則を大幅に強化し、最大で禁錮10年を科す法律が可決されていた。
ノルウェーに拠点を置く少数民族クルド系の人権団体「ヘンガウ」は今月、ゲラバンドさんが風紀警察の暴行を受けて昏睡状態になったと報告していた。別のイラン反体制派組織も、ゲラバンドさんが頭部の外傷で入院したと伝えた。
ヘンガウのスタッフがCNNに語ったところによると、ゲラバンドさんは地下鉄駅で風紀警察の女性警官にヒジャブを整えるよう注意されたことから口論になり、警官らの暴行を受けて倒れたという。
イラン当局は報告の内容を否定し、ゲラバンドさんは低血圧で倒れて負傷したと主張してきた。
友人や家族らも国営メディアとのインタビューで同様の発言を繰り返しているが、当局に強要されたのかどうかは不明。国連当局者や人権活動家らはこれまで、イラン当局が抗議デモでの死者の遺族らに対し、政府側の説明に沿った発言を強要していると指摘してきた。