ガザ最大の病院、攻撃で機能停止 「新生児3人死亡」の情報も
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区最大の病院、シファ病院の周辺で激しい攻撃が続いている。同病院は機能停止に陥り、新生児3人が死亡したとの情報もある。
国際NGO「国境なき医師団(MSF)は11日の声明で、救急車が出動できなくなり、絶え間ない爆撃で患者やスタッフの退避も不可能になったと訴えた。
病院内にいるフリージャーナリストのムスタファ・サルスール氏が同日、CNNに語ったところによると、外は危険で出られないため、数十人の遺体が埋葬できないまま取り残されているという。
同氏は「非常に厳しい状況だ。砲撃はきょうの午後にいったん収まったが、その後また砲撃と銃撃が始まった。動くものがあれば全て激しい狙い撃ちを受ける」と訴えた。
同氏によれば、医師らはろうそくの光で診療にあたっている。缶詰も底を尽きかけ、医師や看護師らが配給の食料を患者に分け与える場面もみられた。電気が途絶え、人々は配管から直接水を飲み始めている。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの保健省は同日、シファ病院が「完全に包囲」され、手術棟が激しい砲撃を受けたと発表。大きな被害のために病院の機能が停止し、新生児3人が死亡したと述べた。
一方イスラエル軍は、シファ病院の周囲で激しい戦闘が続いていることを認めたものの、建物を攻撃したり包囲したりしているとの情報は否定した。
イスラエル軍のハガリ報道官は11日夜、病院から小児科病棟の乳児らを退避させたいとの要請があり、12日には必要に応じて支援する予定だと述べた。
この日に病院から退避できた人がいたかどうか、CNNは確認していない。