イスラエル高官、米国の大学に警告 反ユダヤ主義対策を要請
ニューヨーク(CNN) イスラエルのバラカト経済産業相は16日、米国の大学に対して反ユダヤ主義対策を取るよう警告した。
バラカト氏はCNNの取材に「正しいこと、良いことよりも金もうけを優先する学校は深刻な問題を抱えることになる」と警鐘を鳴らした。
米マンハッタンのホテルで取材に応じたバラカト氏は、訪米中に議員らと交わした会話から、大学内の反ユダヤ主義を取り締まる法整備が行われるとの感触を得ていると説明。
「アイビーリーグ(米名門私立大8校)などの大学の資金提供者の間で、寄付を控える動きが増えるだろう」との見方を示した。
反ユダヤ主義対策を怠る学校は「大きな代償を支払うことになる」とも主張した。
イスラム組織ハマスによる先月のイスラエル攻撃やその後の衝突を受け、一部の大学のキャンパスでは緊張が高まっている。
学生は数百件のデモや対抗デモを実施しており、中には暴徒化するケースもある。ペンシルベニア大学では教職員に対して暴力的な反ユダヤ主義の脅迫が寄せられ、連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出した。コロンビア大やハーバード大のキャンパスでは、反イスラエルの声明に関与したとされる学生の顔や氏名がトラックでさらされる事態も起きた。
バラカト氏は「ハマスの攻撃によって世界中、特にここ米国で反ユダヤ主義が頭をもたげている」と指摘する。
アイビーリーグの大口献金者は反ユダヤ主義的な動きがあるとして不快感を示し、寄付を控える方針を表明。プライベートエクイティで財を成したマーク・ローワン氏は、ペンシルベニア大幹部の入れ替えを要求した。このほか元米国大使のジョン・ハンツマン氏や犯罪捜査ドラマ「ロー・アンド・オーダー」の制作者ディック・ウルフ氏、プライベートエクイティ企業の幹部エドガー・ブロンフマン・ジュニア氏など、数十人に上るペンシルベニア大の後援者が寄付停止を表明している。