世界平均気温、初めて2度の限界超す上昇
(CNN) 世界の平均気温が一時的に、地球に対して壊滅的かつ取り返しのつかない影響を与えうると指摘された水準を上回る上昇を記録した。
欧州のコペルニクス気候変動サービスの専門家がXに投稿した暫定情報によると、11月17日の世界の平均気温は初めて、産業革命前の水準を2度以上上回った。
2度以上の上昇は一時的な現象で、2度を超す温暖化が世界の常態となったわけではない。しかし地球温暖化が確実に進行し、回復が困難あるいは回復不可能な影響を及ぼす方向へと向かいつつある兆候とみられる。
コペルニクス気候変動サービスのサマンサ・バージェス副所長は「我々の推計によると、今回初めて世界の気温が1850~1900年(産業革命前)の水準を2度以上上回り、2.06度上昇した」とXに投稿した。
同氏によると、17日の世界平均気温は1991~2020年の水準より1.17度高くなり、この日の気温としては史上最高を記録。産業革命前の水準と比べると2.06度の上昇だった。
2週間後にはアラブ首長国連邦ドバイで国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が始まる予定。同会議では各国がパリ協定に沿って、産業革命前からの気温の上昇を2度に制限し、1.5度を目指す目標の達成に向けた進捗(しんちょく)状況を報告する。
上昇幅が2度を超す日が1日あったからといって、パリ協定が破られたことにはならないとバージェス氏は言う。「ただ、国際的に合意した制限に我々がどれほど近づきつつあるかを見せつけている。今後数カ月から数年のうちに1.5度や2度上昇の頻度が増すことが予想される」とCNNに語った。
コペルニクスのデータは暫定値で、実際の観測によって確認されるまでには数週間かかる見通し。