ウクライナ各地で吹雪の被害 死者10人
(CNN) ウクライナの広い地域が3日前から吹雪に見舞われ、少なくとも10人が死亡するなど大きな被害が出ている。
クリメンコ内相が28日、SNS「テレグラム」に投稿したところによると、国内11州にある400以上の集落で停電が続き、住民数千人の救助に緊急要員1500人あまりが出動している。
これまでに南部のオデーサとミコライウ、東部ハルキウ、北部キーウの各州で計10人が死亡したほか、子ども2人を含む23人の負傷者が報告された。
現場のビデオには激しい風の中、道路から溝にすべり落ちた車を警官らが押し戻そうとする場面が映っている。
内務省の報道官によると、一部地域では積雪が2メートルに達した。
同報道官は28日、死者についての初期情報として、全員が低体温症で亡くなり、路上で発見されたと述べた。
特に被害の大きいオデーサ州のキペル知事によれば、州内で子ども162人を含む2500人近くの住民が救助され、バス24台と救急車17台を含む車両849台が立ち往生してけん引された。
現地の気象学者らは今シーズンの降雪量は過去5年間で最も多いとみている/Viacheslav Onyshchenko/SOPA Images/LightRocket/Getty Images
ロシアが実効支配する南部クリミア半島も嵐に直撃され、アクショーノフ・クリミア自治共和国首相が28日、10市に緊急事態宣言を出した。
アクショーノフ氏によると、クリミアでは約9万3000人が停電の被害を受け、245の集落で水道が止まった。
26日に一部で最大29メートルの暴風をもたらした低気圧はすでに通過したが、別の低気圧が28日深夜から29日にかけ、大雪や強風、大雨をともなって襲来する見通し。特に西部イワノ・フランキウスク、ザカルパッチャ両州の山岳地帯で降雪量が多くなり、雪崩の危険性が高まることが予想される。