ガザ南部の医療施設、イスラエル攻撃で壊滅的被害 死者多数、医療従事者拘束
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区南部のハンユニスで22日、イスラエル軍の攻撃によって医療施設に壊滅的な被害が出ている。
ガザ地区のパレスチナ保健省によると、この攻撃によってハンユニス西部で数十人が死傷した。同地にはナセル医療施設やアマル病院、パレスチナ赤新月社の本部などがある。
「完全に壊滅的な状況だ。昨夜は寝ていない。病院は完全に包囲されている」。ナセル医療施設のアフマド・モグラビ医師はインスタグラムに22日投稿した動画の中でそう語った。「病院から脱出する方法も、避難する方法もない。至る所に部隊がいて、避難に使える唯一の道路は遺体でいっぱいだ」
保健省によると、ナセル医療施設は収容できる以上の重傷者を受け入れており、集中治療室は満員になっている。
保健省によれば、イスラエル軍は22日にハンユニス西部のハイル病院を急襲し、医療従事者多数を拘束した。
イスラエル国防軍はこれについて「進行中の活動についてはコメントできない」としている。
パレスチナ赤新月社は、同じ地区にある本部とアマル病院がイスラエル軍に包囲され、動こうとする者は誰であれ兵士の標的になると伝えた。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長はこの戦闘に「深い懸念」を表明し、アマル病院付近での暴力やハイル病院の急襲について、病院内の患者や避難者が危険にさらされるだけでなく、新たな負傷者が治療を受けられなくなるとして危機感を示した。
保健省の22日の発表によると、イスラエルのガザ攻撃によって殺害されたパレスチナ人は、10月7日以来、2万5295人に増え、負傷者は6万3000人を超えた。過去24時間だけで少なくとも190人が殺害され、340人が負傷している。