UNRWAへの資金拠出停止は「壊滅的な結果」招く WHO事務局長
(CNN) 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は1月31日、パレスチナ自治区ガザ地区で最大の人道支援活動を行っている国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出停止は「ガザの人々に破滅的な結果をもたらす」と警告し、各国に判断の再考を求めた。
この問題では、UNRWAの一部職員がイスラム組織ハマスのイスラエル攻撃に関与したとの疑惑を受けて、主要国が資金提供を一時停止している。
テドロス氏は、ガザの220万人もの人々が緊急に必要としている援助をUNRWAほどの規模で広範に提供する能力を持つ機関は他にないと指摘した。
UNRWAの職員が昨年10月7日のイスラエル攻撃に関与したと同国が指摘して以来、これまでに17カ国がUNRWAへの資金提供の停止を発表。ここには主要な資金提供国の米国や英国、ドイツ、日本も含まれる。
テドロス氏によると、WHOはガザの健康衛生と現地で活動を行っている職員を支援するのに「極めて難しい問題」に直面しており、ガザ南部の病院への支援提供は「かなり難しい」状況だという。
また、ガザ南部ハンユニスにある病院付近で展開されている「激しい戦闘」により「患者や医療従事者、物資のための医療機関へのアクセスが著しく妨げられている」と指摘した。
テドロス氏によると、WHOは先月29日にガザ南部のナセル病院に医療品を届けたが、予定していた食料の搬入はできなかったという。