ロシアの攻勢許すウクライナ、増兵要する状況も招集拡大に異論噴出
戦闘に参加できる年齢は18歳から60歳まで。ウクライナでは女性の従軍も認められているが、当該の招集の対象は27歳以上の男性のみだ。議会で審議されている法改正には、対象年齢の下限を25歳に引き下げる案が盛り込まれている。ただ1990年代と2000年代に国外移住が増加し、出生率の低下にも見舞われたウクライナでは、現在20代の人口が30代や40代と比較して著しく少ない状況にある。
砲弾を運ぶウクライナ連隊「ツナミ」の隊員=19日、ウクライナ東部ドネツク州/Diego Herrera Carcedo/Anadolu/Getty Images via CNN Newsource
法案では兵役年齢に該当する全男性に対し、住所や雇用状況に関する詳細を登録する新たな義務も課す見通し。これらの中央データベースを軍にとってより確認しやすくすることで、招集の透明性や効果を確実に高める狙いがある。
自走榴弾砲の射撃を準備するウクライナ兵=14日、ウクライナ南部/Genya Savilov/AFP/Getty Images via CNN Newsource
招集命令に応じない場合の罰則は、運転免許の停止や銀行口座の取引停止を含んだ一段と厳しいものになる可能性がある。
ただ警察は、招集逃れを取り締まっても、当該の案件が司法制度で裁かれるまでには非常に時間がかかることを認めている。過去2年間で違反が認められた2600件のうち、評決に至ったのはわずか550件だという。ある警察幹部は「この犯罪で罰則を逃れるのは不可能だと人々に悟らせるため、裁判所にはまだやるべきことがある」との見解を示した。