中絶の権利を憲法に明記、フランス議会で法案成立 世界初

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フランス議会は、人工妊娠中絶の自由を憲法に明記する改正案を賛成多数で可決、成立させた/Emmanuel Dunand/AFP/Getty Images

フランス議会は、人工妊娠中絶の自由を憲法に明記する改正案を賛成多数で可決、成立させた/Emmanuel Dunand/AFP/Getty Images

パリ(CNN) フランス議会は4日、人工妊娠中絶の自由を憲法に明記する改正案を賛成多数で可決、成立させた。中絶の権利を憲法で規定する国は世界で初めて。

パリ南西部のベルサイユ宮殿で開かれた上下両院の合同会議では、採決の結果、賛成が780票で反対の72票を大幅に上回り、憲法改正に必要な5分の3の支持を獲得した。

これに先立ち元老院(上院)と国民議会(下院)はそれぞれ、憲法改正案を圧倒的多数で通過させていた。

憲法改正案は、人工妊娠中絶を「保障された自由」と明記する内容。一部の団体や議員からは、中絶の「権利」という文言の使用を求める声もあった。

米国や極右政党が台頭しているハンガリーなどの国で中絶の権利が脅かされる中で、フランスは自分の体のことを自分自身で決める「リプロダクティブ・ライツ」支持を明確に打ち出した。

エッフェル塔にライトアップされたメッセージ/Abdul Saboor/Reuters
エッフェル塔にライトアップされたメッセージ/Abdul Saboor/Reuters

採決を受けてエッフェル塔には「私の体、私の選択」の文字が浮かび上がった。

マクロン大統領は、憲法改正案の成立を祝う公式行事を国際女性デーに当たる8日に行うと表明した。

フランスでは人工妊娠中絶の権利が広く支持されており、政府もかつては憲法に明記する必要はないとの立場だった。

しかし米国で中絶の権利を認めた「ロー対ウェード判決」が2022年の最高裁判決で覆され、判断が各州に委ねられたことをきっかけに、フランス国内で行動を求める声が強まった。

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