ラマダン礼拝の留学生らをヒンドゥー集団が襲撃、2人逮捕 インド西部の大学
(CNN) インド西部のグジャラート大学で16日、イスラム教のラマダン(断食月)の祈りをささげていた留学生らがヒンドゥー教徒の極右集団に襲撃された。地元警察は17日、衝突後に2人を逮捕したと発表した。
警察責任者によると、構内でアフガニスタン、スリランカ、タジキスタン出身の学生らが礼拝を始めたところ、20~25人の学生がやって来て、ここではなくモスク(イスラム教礼拝所)へ行って祈れと迫った。
その場で口論が起きて石が投げ付けられ、学生らの寮が荒らされた。インド外務省によると、外国人学生少なくとも2人が負傷した。州政府は襲撃犯に対し、厳しい措置を取ると表明した。
現場に居合わせた学生が匿名でCNNに語ったところによると、祈りをささげていた学生らに対し、ヒンドゥー教のスローガンを唱える集団が礼拝をやめろと繰り返した。その後さらに大勢の集団が加わって投石を始めた。
インターネット上で拡散している動画には、学生寮に石を投げ付け、車を破損させる男たちの姿が映っている。ヒンドゥー教のスローガンを叫ぶ声や、ヒンドゥー教徒とみられる男性が学生に平手打ちされる場面の動画もある。
アフガニスタン人の学生は地元テレビ局とのインタビューで、ラマダンの礼拝には約15人が参加していたと話した。そこへやって来た3人がヒンドゥー教のスローガンを唱え、さらに200~250人の仲間が加わって石を投げたり、自転車やパソコンを破壊したりしたという。この学生は大学当局に対し、寮は危険なので安全な場所へ移らせてほしいと訴えた。
別の学生は、大学当局から礼拝の許可を得ていたと話した。
インドでは近年、ヒンドゥー至上主義を掲げるモディ政権の下で宗教間対立が激化している。