パキスタン北西部で自爆テロ、中国人労働者ら6人が死亡
イスラマバード(CNN) パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で26日に自爆テロが発生し、中国人労働者5人と現地の運転手1人が死亡した。同国では近年、対中関係の妨害を図るテロ攻撃が相次いでいる。
警察幹部によると、イスラマバードからダス水力発電所のダム建設現場に向かっていた労働者らの車列に、自爆犯の車が突っ込んだ。
犯行声明は出ていない。3年近く前にも同じ現場に向かっていたバスが何者かに爆破され、中国人9人を含む13人が死亡した。
パキスタンは中国の戦略的同盟国で、習近平(シーチンピン)国家主席の巨大経済圏構想「一帯一路」の中心に位置付けられている。だが中国が投資する開発プロジェクトには一部の地域が強く反発し、特に南西部バルチスタン州の分離独立派「バルチスタン解放軍(BLA)」が中国関連施設への攻撃を繰り返してきた。
一方で、2021年に隣国アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが復権してから、武装勢力やテロ集団の暴力が急増し、当局が対応に苦慮している。国内の武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」は、26日の爆発への関与を否定した。
中国外務省は27日、攻撃を非難する声明を出し、パキスタン当局に徹底捜査と、中国の国民や機関、プロジェクトを保護する有効な対策を求めた。
パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は26日、イスラマバードの中国大使館を訪問して弔意を表した。
ダール外相は「凶悪なテロ行為」を非難。中国との友好関係に反対する者の画策だとして、敵対勢力を打倒する決意を表明した。
パキスタン軍も声明で対中関係への妨害との見方を示し、「特定の外国分子」が国内のテロをほう助していると主張した。