コロンビア、アルゼンチンの外交官を追放 ミレイ大統領の発言に反発
(CNN) コロンビア政府が、首都ボゴタにあるアルゼンチン大使館から同国の外交官全員を追放する命令を発したことが29日までに分かった。これに先駆け、アルゼンチンのミレイ大統領はCNNとのインタビューの中で、コロンビアのペトロ大統領を「テロリストの人殺し」と呼んでいた。
コロンビア外務省は27日に声明を出し、「アルゼンチン大統領の表現は我が国の信用を貶(おとし)め、民主的に選出されたペトロ大統領の尊厳を傷つけた」と述べた。
昨年新たに就任した急進的右派のミレイ大統領による問題の発言は、CNNのスペイン語チャンネルのインタビューで出たもの。自身の経済政策やガザ情勢などにも話題が及んだこのインタビューは、米東部時間24日の午後9時に放送された。
インタビュー中、ミレイ氏はコロンビアのペトロ大統領について、「テロリストの人殺しに多くは期待できない」と発言していた。ゲリラ出身のペトロ氏は、2022年の大統領選で勝利。コロンビア初の左派の大統領となった。
誇張した物言いをすることで知られるミレイ氏は、メキシコのロペスオブラドール大統領も攻撃。インタビューの中で「無知」と断じた。
左派のポピュリスト政治家であるロペスオブラドール氏は以前ミレイ氏の政策を批判し、同氏を独裁者になぞらえていた。28日のソーシャルメディアへの投稿で、ロペスオブラドール氏はミレイ氏に反撃。なぜアルゼンチンの国民は「不適切で、国民を見下す人物に票を投じたのか」と疑問を呈した。
ブエノスアイレスで行われた1時間近くのインタビューで、ミレイ氏はイスラム組織ハマスが遂行した昨年10月7日の奇襲攻撃に対するイスラエルの応戦を支持した。パレスチナ自治区ガザ地区での戦争は「法の支配の範疇(はんちゅう)」であり、イスラエルの対応に行き過ぎたところは何もないとの見解を示した。
ミレイ氏は生まれついてのカトリック教徒だが、かねてユダヤ教へ改宗したいとの希望を表明している。
この他、11月の米大統領選ではトランプ前大統領が勝利することを個人的に期待していると認めた。ただ次期米大統領が誰になろうと、米国とは同盟関係を結ぶ意向を示した。