コロンビア密林で生き延びた子ども4人、13歳長女のおかげ 救助犬の捜索続く
(CNN) 南米コロンビアのアマゾン密林に小型機が墜落した事故で、幼い4人のきょうだいが1カ月以上も生き延びることができたのは、最年長の姉のおかげだったと祖父が称賛している。軍による捜索の焦点は、子どもたちに付き添った捜索救助犬「ウィルソン」に移った。
小型機は5月1日に墜落し、助かった1~13歳の子ども4人は1カ月以上も密林の中で暮らしていた。子どもたちの母親と操縦士など3人は死亡した。
コロンビア国防省が公開した動画の中で祖父のナルシソ・ムクテュイさんは、13歳のレスリー・ムクテュイさんが幼いきょうだい3人の面倒を見ていたことを明らかにした。
「彼女が目をやると、母親は死亡していた。彼女は最年少の妹の足を見つけ、彼らを引きずり出した」と祖父は説明、「赤ん坊のクリスティンは、姉が哺乳瓶からゆっくりミルクを飲ませてくれたおかげで生き延びた」と話している。
当局の10日の発表によると、9歳と3歳の子どもを含むきょうだい4人は、アマゾン地域の先住民が使うキャッサバ粉を食べて生き延びていた。
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、「先住民の家族から学んだことと、ジャングルの中で生きる術を身に着けていたことが、彼らを救った」と称賛した。
祖父によると、子どもたちは当初、墜落現場付近で4日間、救助を待っていたが、その後は見つけてもらえることを期待して自分たちが野営した痕跡を残しながら、場所を移動していた。
やがてそれ以上歩くことができなくなり、「最後に起こる奇跡」を待つことに決めたとレスリーさんは話しているという。
4人のうち2人の父親のマヌエル・ラノケさんがCNNに語ったところによると、救助されるまでの間、子どもたちはジャングルで動きがあるのを目にしていた。しかし「ヘリコプターや、集落や軍の人たちを見ると、罰を受けると思って身を隠した」という。
子どもたちは途中で捜索救助犬のウィルソンに遭遇。ウィルソンは「忠実な友人になって、何度も付き添ってくれた」と祖父は話す。
ベルジアンシェパード犬のウィルソンは、5月18日に目撃されたのを最後に行方が分からなくなった。コロンビア軍の報道官によると、子どもたちは3~4日、ウィルソンと一緒に過ごしていたといい、ウィルソンはかなりやせていたと話しているという。
コロンビア軍はウィルソンの発見を目指して捜索を続行。「我々は何一つあとに残さない。たとえ4人の子どもが見つかっても、ウィルソンを置き去りにはしない」と報道官は強調する。
コロンビア軍の司令官も13日、ウィルソンが見つかるまで捜索を続けると述べ、約70人の特殊部隊員が捜索を行っていることを明らかにした。
子どもは4人とも10日に空路ボゴタの病院に救急搬送され、回復に向かっている。医師によると、最大で3週間、経過観察のため入院する見通しだという。