台湾の地震、死者7人 負傷者700人以上
台北(CNN) 台湾東部沖で3日に発生した地震で、建物の倒壊や土砂崩れの被害が報告されている。消防当局によると少なくとも7人が死亡、736人が負傷し、77人が身動きの取れない状態になっている。
米地質調査所によると、地震は午前7時58分に発生した。震源は花蓮市の南約18キロ、震源の深さは34.8キロ。その後数回にわたり、強い余震が観測された。
台湾の内政部消防署(消防庁)は、花蓮県内で7人が死亡したと発表した。このうち太魯閣(タロコ)渓谷でハイキングをしていた観光客3人と、幹線道路のトンネル手前を走っていたトラック運転手1人は落石の直撃を受けた。
また、太魯閣渓谷の遊歩道でカナダ人2人を含む12人、県内のトンネルでドイツ人2人が立ち往生し、救助隊が出動している。
台湾中央気象署の報道担当者は、週末までに最大でM(マグニチュード)7の余震が予想されるとして警戒を呼び掛けた。
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は3日、迅速な状況把握と被災地への支援を指示した。
花蓮県の震源地付近に通じる道路や鉄道が閉鎖されているため、被害の全体像はまだ把握できていない。
花蓮市で起きた大規模な地滑りを捉えたSNS上の写真/Byron Wan/X (formerly Twitter)
内政部消防署によると、台湾全体で100棟を超える建物が損壊した。このうち約半数が花蓮県に集中している。
同県の徐榛蔚県長は記者会見で、半壊した9階建てのビルに住人が閉じ込められ、これまでに22人が救出されたと発表した。
台湾の中央災害応変センターによると、9万1000世帯で停電が続き、台湾電力が復旧作業に取り組んでいる。