イスラエル首相、ラファ侵攻の日程決定と主張 米政権は「虚勢」と判断
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの軍事侵攻について日程が決定していると発言したことについて、バイデン米政権はネタニヤフ氏の国内での政治的立場が弱体化したことを受けた「虚勢」とみていることがわかった。政権高官がCNNに明らかにした。
ネタニヤフ氏は、イスラム組織ハマスの撲滅とイスラエル人の人質解放を見据えた停戦交渉の成立という大きな圧力のなかでバランスを取ることに苦慮している。イスラエル当局者は、ラファにはハマスの4個大隊が依然として存在しており、これを排除する必要があると主張している。
米政権の複数の高官は非公開の場で、ネタニヤフ氏の発言について虚勢と判断している。
米政府高官は公の場でも、ラファ侵攻の日程が決まったとの主張に疑問を呈している。米政府高官は、イスラエルがどのように侵攻作戦を実施するかについて、包括的な計画のようなものを目にしていないと繰り返し述べている。ラファへの侵攻にはまず、推計150万人とされる同地にとどまっている民間人の大部分を移動させる必要がある。
ブリンケン米国務長官は9日、ラファに侵攻する日について、米国はまだ知らされていないと述べていた。
情報筋によれば、イスラエルのガラント国防相は米国のオースティン国防長官に対し、イスラエルがラファ侵攻の可能性について計画をまとめ、準備を進めていると伝えたものの、作戦の日程が決定したとは明言しなかったという。