ガザ住民110万人の3カ月分食料調達、残る課題は搬入のみとWFP
(CNN) 世界食糧計画(WFP)のマケイン事務局長は11日までに、飢餓などの人道危機が深刻化するパレスチナ自治区ガザ地区の情勢に触れ、同地区住民の110万人が3カ月間しのげる食料をガザ域外で準備したことを明らかにした。
CNNの取材に、「残された課題は運び入れだけだ」と主張。ガザへの搬入が可能な検問所の確保が必要になっているゆえんとし、「より多くの検問所が必要」とも訴えた。
その上でイスラエル政府が先に発表したガザ北部との境界線上にあるエレズ検問所の一時的な開放は援助活動において重要な意味を持つと評価した。イスラエル政府はまた、ガザへの人道支援物資の輸送を可能にするため同国南部アシュドッド港の利用も認めていた。
ただ、エレズ検問所を経由しての作業については計画通り進んでいないとの指摘もある。
一方、「イスラエル占領地政府活動調整官組織」(COGAT)は11日までに、ガザで戦闘が勃発した昨年10月7日以降、支援物資を積んでガザに入った1日あたりのトラックの台数が最多を記録したと主張した。
9日に計468台が荷物の検査を終えて、ガザに到着したと述べた。8日には419台だったという。COGATはガザへの立ち入り業務などを管理している。
国連のデュジャリック報道官は同日、ガザ向けのトラック台数はここ数日間、増えているものの、全てのトラックが治安対策上の理由もあり荷物を目いっぱい搭載して入っているわけではないとの現状に言及。
ガザへ届いている援助物資の規模を見極めるにはトラック台数を数える方途とは異なる計算方法が導入されなければならないともした。
国連のデータによると、軍事衝突が始まる前、ガザへ向かっていた補給物資を積んだトラックは1日あたり平均で450~500台だった。