入植者のパレスチナ人迫害、06年以降で最悪 ヨルダン川西岸
(CNN) 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(HRW)は20日までに、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でイスラエル人入植者によるパレスチナ人への攻撃件数が、国連が関連データの収集を開始した2006年以降、最悪の水準にあると報告した。
昨年10月7日から今年4月3日までの間では700件以上を記録。これら攻撃のほぼ半数の現場で軍服姿のイスラエル軍兵士の姿が見られたとも指摘した。
西岸地区での兵士や入植者による暴力の激化は、同じパレスチナ自治区ガザ地区で戦闘が勃発した昨年10月7日以降の現象と説明。子ども600人を含むパレスチナ人ら1200人以上が牧畜などを営む遠隔地にあった居住先を追われたと述べた。
少なくともパレスチナ人17人が殺害され、400人が負傷した。国連によると、西岸地区で10月7日以降にパレスチナ人が殺害した入植者は7人。
HRWによると、パレスチナ自治政府が拠点を置く西岸のラマラ近くの村落の一つは昨年10月12日、武装した私服姿の入植者とイスラエル軍部隊の襲撃を受けた。村民らは子ども90人を含む約180人が自宅を失ったと証言した。
ヒューマン・ライツ・ウオッチの今回のイスラエル兵によるとされる嫌がらせなどの報告は、目撃者とする27人の証言に基づく。住民が撮影した動画も材料にし、この中にはM16自動小銃を手にした軍服姿のイスラエル兵が住民をさいなむ行動も収められていた。
イスラエル軍は一連のパレスチナ人への攻撃についての質問に応じなかったとも述べた。
その上で、占領地におけるイスラエルによるパレスチナ人の強制的な移動や追放、広範な破壊や財産の流用は戦争犯罪であると断じた。
一方、イスラエル軍はHRWの今回の報告を受け、入植者による迫害からパレスチナ人を守れなかったり、攻撃に加わったりした兵士には懲罰が科されると表明した。CNNの取材に述べた。
部隊兵士は一部のイスラエル人がパレスチナ人を襲う場面を目撃しているとも認めた。